ユネスコ世界文化遺産講演会の開催

ユネスコ世界文化遺産講演会「北海道の世界文化遺産に学ぶ―縄文遺跡群とSDGsー」を10月16日(日)に旭川市で開催しました。世界遺産の価値を生かした教育と「北海道・北東北の縄文遺跡群」の保存活用に取り組む専門家を迎え、82名の参加者が世界文化遺産が北海道に初めて生まれたことの意味を学びました。

休日にも関わらず御参加いただきました皆様、及び開催に際して多大なご協力を賜りました旭川ユネスコ協会、旭川市教育委員会をはじめ関係各位に心よりお礼申し上げます。

日時:2022年10月16日(日)9時00分開場 9時30分開会 12時30分閉会

会場:アートホテル旭川(旭川市7条通6丁目)2階「ザ・ウェストルーム」

主催:北海道世界文化遺産活用推進実行委員会  協力:旭川ユネスコ協会  後援:旭川市教育委員会

講演1 世界文化遺産を通してSDGsを学ぶ

奈良教育大学教授・ESD・SDGsセンター長 中澤静男

スライドを用いながら世界遺産制度とSDGsの関連、SDGsの内容と趣旨、さらに世界文化遺産「古都奈良の文化財」を活用したESDとしての世界遺産教育の実例等がわかりやすく解説されました。長年にわたって維持されてきた文化財は、国連の目標とする人類の持続可能性を体現した存在であることが示されました。

講演2 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の普遍的な価値

東京大学大学院人文社会系研究科准教授 根岸 洋

やはりスライド多数を用いて世界遺産制度の基礎にある思想、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の特徴と、この遺跡群が人類史理解のために果たす役割が解説されました。縄文文化全体ではなく、そのうちの多様な地域性の一つを代表する遺跡群が登録されたことはどのような意味を持つのかが説かれました。

ディスカッション 北海道に生まれた世界文化遺産をどのように育てるか

中澤講師・根岸講師、コーディネーター:北海道ユネスコ連絡協議会会長 大津和子

2つの講演の内容を踏まえ、文化の多様性を評価する姿勢とSDGsとの関係、構成資産とそれ以外の縄文遺跡の関係、子どもたちが縄文遺跡群から学べることなどについて意見の交換が行われました。北海道に生まれた世界文化遺産の価値を地域のために生かし、将来に継承していくために何が必要かを考えました。

講演会記録冊子.pdf

講演会の記録

講師のプロフィール、講演とディスカッションの詳しい内容をはじめ、参加者からの質問と講師による回答、参加者の構成や当日アンケートの結果など講演会の記録を冊子として編集のうえ公開中です。

講演の記録は「持続可能な開発目標(SDGs)」や「持続可能な開発のための教育(ESD)」をはじめとした国連・ユネスコの取組みと世界遺産制度の関係、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の内容と顕著な普遍的価値、将来を担う世代のための世界遺産を活かした教育の可能性などを知るためのテキストとしても好適です。冊子画像のリンクからダウンロードのうえ、自由にご利用ください(PDFファイル5.3MB)。