2022年度・2023年度及び2024年度に公益財団北海道埋蔵文化財センターに委託して実施した調査研究の成果を公開しております。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の道内構成資産6か所、青森・岩手・秋田県内の構成資産5か所のほか、この遺跡群と比較を要する日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」(長野県・山梨県)や世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)での現地調査を行い、文化遺産の価値の伝達に関するユネスコやICOMOSの考え方、海外の世界文化遺産での事例の文献調査なども踏まえた報告書がまとめられています。
『北海道における世界文化遺産のインタープリテーションに関する調査研究』(PDFファイル14.1MB)
『同上 附録』(PDFファイル82.9MB)
昨年度に続き「北海道・北東北の縄文遺跡群」の道内外構成資産のほか、この遺跡群と比較を要する国内の縄文遺跡、世界文化遺産「平泉」(岩手県)「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(沖縄県)での現地調査を行い、また海外専門家を招聘して開催した「国際プログラム」を通じて把握した海外の世界文化遺産での事例の調査なども踏まえ、道内において世界遺産の価値を適切に伝達するうえで求められる視点や課題を整理した報告書がまとめられています。
『北海道における世界文化遺産のインタープリテーションに関する調査研究2』(PDFファイル194.2MB)
『同上 附録』(PDFファイル7.8MB)
縄文遺跡群の価値に関する専門性の高い情報を整理し、実際に来訪者を相手に道内で世界文化遺産の価値の伝達に取り組んでいる方々の役に立つ形にまとめた『ガイドブック』を作成しています。内容は大きく前後の2部に分かれ、前半では推薦書の主張する「北海道・北東北の縄文遺跡群」の価値が諮問機関やユネスコによってどのように取捨選択されて「顕著な基本的価値の言明」として採択されたかが説明されています。
また、後半では縄文遺跡群に続く「続縄文文化」の紹介を通じて、農耕が導入されなかった北海道で縄文文化がどのように終わったかという問題や、この遺跡群の担い手とアイヌ民族の関係といった道内でのインタープリテーションに伴う固有の課題に答えるための情報が扱われています。
『世界文化遺産北海道・北東北の縄文遺跡群における北海道の理解を深めるガイドブック』(PDFファイル47.1MB)
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の顕著な普遍的価値を適切に伝達するため、新たに国内及び海外(米国・タイ)で世界文化遺産等のインタープリテーションの現状を現地調査した成果を整理し、また国内各地で世界文化遺産の価値伝達に取り組む専門家・担当者が札幌に会合し、議論を通じて共有した認識を踏まえて、今後道内において世界遺産のインタープリテーション等をさらに推進していくために必要と考えられる取組みや課題を示す報告書を作成しています。『附録』には専門家会合の一部として開催された「公開講演会」での配布資料なども収録されています。
『北海道における世界文化遺産のインタープリテーションに関する調査研究3』(PDFファイル19.8MB)
『同上 附録』(PDFファイル5.9MB)
「北海道・北東北の縄文遺跡群」道内構成資産で実際に来訪者に対応しているガイドの方々を対象に行ったアンケートの結果などを踏まえ、遺跡群の価値伝達の実務に役立つ情報を整理した「推進冊子」を作成しました。
冊子の前半では世界遺産が備える「顕著な普遍的価値」(OUV)の意味、「北海道・北東北の縄文遺跡群」に認められたOUVの内容などが解説され、世界遺産の構成資産として各遺跡が担う価値を理解してもらう上での留意点が整理されています。また、後半では道内の縄文遺跡が持つ個性により焦点を当てて、来訪者の多様な疑問に客観的な立場から答えていくための情報が扱われています。
『世界文化遺産北海道・北東北の縄文遺跡群における北海道の理解を深めるガイドブック2』(PDFファイル28.2MB)