2022年度縄文遺跡群ボランティアガイド養成講座第3回は、10月28日(金)10時から函館市縄文文化交流センターほかで開催します。
亀田半島の太平洋に面した段丘の上には縄文集落の跡がいくつも見つかっていますが、中期縄文の後半(4500年ほど前)に栄えた大船遺跡の集落はその中でも特に大きなものの一つです。100軒以上の竪穴住居の跡が折り重なるように確認され、さらに多くの住居跡が未調査のまま眠っています。
規模の大きな6軒の住居跡や盛土遺構は発見されたそのままの位置に整備公開されており、縄文文化の定住性を体感できる場所になっています。また遺跡に隣接して発掘調査の状況や出土品を紹介する管理棟が設置され、4~10月の間は解説スタッフが常駐して来訪者に対応しているほか、現在建設中の大船バイパスから遺跡へのアクセスも整備が進められています。
(左は世界遺産縄文遺跡群保存活用協議会による2021年4月の空撮写真。出典:JOMON ARCHIVES)
実技指導者 平野 千枝 ひらの ちえ 函館市縄文文化交流センター学芸主任
せたな町出身。東北芸術工科大学大学院修了。大学では文化財保存科学を専攻し、博物館施設収蔵庫内空気環境等について研究。現在の一般財団法人道南歴史文化振興財団の前身であるNPO法人函館市埋蔵文化財事業団で調査補助員として勤務。2011年10月からは函館市縄文文化交流センターで学芸員として勤務し今に至る。
受講者の皆様へ 縄文文化交流センターは北海道唯一の国宝「中空土偶」など函館の縄文遺跡から出土した資料をカテゴリー毎に展示している博物館です。当時の暮らしぶりが資料を通して想像できるようなガイドを目指し日々精進しています。
実技指導者 深浦 秀樹 ふかうら ひでき 道南歴史文化振興財団垣ノ島解説スタッフ
旭川市出身。國學院大學法学部卒業。㈱ダイエーに入社、バイヤー、店長を経て北海道地区スーパーバイザー部長を最後に平成7年退職、同年㈱東部端野店出店に伴い北見へ転居、同店の取締役店長兼商品部長として小売り畑一筋の人生を歩む。その後退職を機に函館に移住、新幹線の開業を間近に控え、観光客の増加が見込め、かつ小売業で培った接客の技術も生かせると考え、平成27年タクシー会社の観光班の一員として働く場を得る。令和3年に垣ノ島遺跡のガイド兼管理人として縄文にはまる。
受講者の皆様へ ともに学ぶ場として認識していますので、当日の質疑応答を楽しみにしています。
実技指導者 大宮 トシ子 おおみや としこ 道南歴史文化振興財団大船解説スタッフ
旧南茅部町(現函館市豊崎町)生まれ。町立臼尻中学校を卒業後昭和53年結婚。平成6年5月南茅部町埋蔵文化財調査団作業員になり平成23年8月まで発掘作業員として発掘に従事。同年10月1日より令和2年3月31日まで函館市縄文文化交流センター勤務。令和2年4月1日より大船遺跡に移動、現在に至る。平成10年4月より地域の遺跡の保存活用に取り組むボランティア団体「北の縄文club」会員、平成21年5月より会長を務める。
受講者の皆様へ 世界遺産となった大船遺跡がまだ「大船C遺跡」だった頃に実際に発掘現場で作業をしていました。当時の発掘状況や思い出話などを織り交ぜながら大船遺跡の魅力をお伝えできるよう、頑張っています。どうぞよろしくお願いいたします。
垣ノ島遺跡・大船遺跡の指定管理者である道南歴史文化振興財団の解説スタッフのためのガイドマニュアルをお配りし、そこに示された解説の内容を参考に、来訪者からの質問に答える実習を行います。
北海道で唯一、国宝指定を受けた文化財として有名な通称「中空土偶」の発見地である函館市尾札部町の著保内野(ちょぼないの)遺跡では、後期縄文の終わりごろ(キウス周堤墓群とほぼ同じ時期)の墓地の跡が見つかっており、土偶はその墓の一つの中に納められていました。この場所は私有地であり公開されていませんが、隣接の道路まで主催者の借上げバスで移動し、車上から見学します。
(左は発見当時の土偶。写真:函館市教育委員会提供)
◆ 受講は事前の申込みが必要です(定員先着30名)。主催者から受講に際しての注意事項等をお知らせする都合上、なるべく開催の1週間前までにお申し込みください。主催者から集合場所・時刻や受講上の注意事項などをお知らせします。
◆ 当日、受付に際して受講料500円を申し受けます。
◆ 講座には屋外での見学を含み、舗装のない場所も多いため、当日の天候に応じて上着や雨具を用意し、歩きやすい履物でご参加ください。
◆ 集合場所である函館市縄文文化交流センターまでのアクセスは、同センター公式サイトの「アクセス」のページをご参照ください。なお、函館駅方面からのバスは本数が限られますのでご注意ください。
◆ 実技指導の会場間の移動及び見学場所までの往復は主催者の借上げバスにご乗車いただきます。車中でも実技指導や見学する遺跡についての解説があります。自家用車で移動することはできませんのでご注意ください。